Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.547 Zeichen · 27 Bildschirme
伊兵衛が死際に何か言ったというのも、その指先の地へ八百駒の提灯を置いておいたのも、すべて彼の、事を入り組ませようとした肚にほかならない。犬を尾けるどころか、自分が犬を動かして御家新の家まで行ったのだが、なんとなくあぶなく思って、人もあろうに釘抜藤吉を亡き者にしようとし、そして、すぐに帰って何食わぬ顔をしていた。
引き立てられて、佐平次が腰を上げると、土間にいた甚右衛門、泣くような瞳で主人を凝視めた。この時、表戸がほとほと鳴って、声がした。藤吉あわてて佐平次の口を押さえた。
「おうっ、鋳かけ屋、いるか。俺だ、新だ。手慰びも危ねえぜ。今し方すかねえのが来てな、どこへ行ったと言うのだ。場へ手がはいっちゃあやりきれねえから、お前んとこにいたと言っといたぞ。うまく合わしてくれ。」
家内では三人、首引っ込めて舌を出す。彦が答えた。
「あいよ、合点。」