Japanische Klassiker mit Furigana
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かなづち
鉄鎚
夢野 久作
Lesen Sie 鉄鎚 (かなづち) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.659 Zeichen · 62 Bildschirme
序に寝ぼけ眼で店の柱時計をふり返って見たら午前七時十分前であった。
「……モシモシ……モシモシ……四千四百三番ですか……大阪から急報ですよ……お話下さい……」
「……オーッ。青木かア!……何だア!……今頃……」
「……アアモシモシ。君は児島君かね……」
「イイエ違います。児島愛太郎です……」
「……ヤ……御令息ですか。失礼いたしました。私は青木商店の主人で藤太と申します。まだお眼にかかりませんが、何卒よろしく……エエ……早速ですが、お父様のお宅にはまだ電話が御座いませんでしたね……ああ……さようで……では大至急お父様にお取次をお願いしたいのですが、実は大変にお気の毒な事が出来まして……」
「……ハア……どんな事でしょうか……」
「もうお聞きになったかも知れませんが、中ノ島の浜村銀行が今朝、支払停止を貼り出しました……」
「ハア……そうですか」
「頭取の浜村君と、支配人の井田君は昨夜からその筋へ召喚されておりますので、預金者は皆途方に暮れているのです」
「ナルホド」
「あなたのお父様と同銀行とは、兼ねてから深い御関係になっておられる事を承っておりましたので、取りあえずお知らせ致しますが……実は折返して今一度、至急に御来阪願いまして、その事に就いて御相談致したいと存じますので」