Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

『はちのこ』から『ごちゅうあん』まで

『鉢の子』から『其中庵』まで

種田 山頭火

Lesen Sie 『鉢の子』から『其中庵』まで (『はちのこ』から『ごちゅうあん』まで) von 種田 山頭火 (たねださんとうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.548 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

さらば川棚よ、たいへんお世話になった。私は一生涯川棚を忘れないであろう。川棚よ、さらば。

けふはおわかれの糸瓜がぶらり

私の心は明るいとはいえないまでも重くはなかった。私の行手には小郡があった、そこには樹明兄がいる。そのさきには敬治兄がいる。その近くのA村は水が清くて山がしずかだった。それを私ははっきりと記憶している。

『もし川棚の方がいけないようでしたら、ここにも庵居するに似合な家がないでもありませんよ。』此夏二度目に樹明兄を訪ねてきた時、兄が洩らした会話の一節だった。私はその時はまだ川棚に執着していたので、その深切だけを頂戴した。それが今はその深切の実を頂戴すべく、ひょうぜんとしてやってきたのである。

或る家の裏座敷に取り敢えず落ちついた。鍋、釜、俎板、庖丁、米、炭、等々と自炊の道具が備えられた。

二人でその家を見分に出かけた。山手の里を辿って、その奥の森の傍、夏草が茂りたいだけ茂った中に、草葺の小家があった。久しく風雨に任せてあったので、屋根は漏り壁は落ちていても、そこには私をひきつける何物かがあった。

私はすっかり気に入った。一日も早く移って来たい希望を述べた。