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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎんさんじゅうまい

銀三十枚

国枝 史郎

Lesen Sie 銀三十枚 (ぎんさんじゅうまい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.863 Zeichen · 73 Bildschirme

Aozora Bunko

悲哀の人にして悩みを知れり

「なるほど」とユダは呟いた。

「彼奴の如何にも好きそうな歌だ。そっくり彼奴にあてはまるからな」

「侮どられて人に捨られぬ」

「ほんとに侮どられて捨られた」

「彼は衰えず落胆せざるべし」

「これも全くその通りだ。最後まで落胆しなかった。……はてな、それではあの男は、そういう事を予期しながら、なおかつ道を立てようとして、ああ迄精進したのだろうか?」

ユダはにわかに行き詰まった。

「よし預言者でないにしても、妄信者以上の何者か、偉大な人間ではなかったろうか?」

彼の胸は痛くなった。

「いけないいけないこういう考えは! 世の中に偉人なんかありはしない。あると思うのは偏見だ。生きている物と死んでいる物、要するにただそれだけだ。そうして生物の世界では、雄と雌とがあるばかりだ。雌だ! 女だ! あっ、マリア!」

ユダは周章て懐中を探った。銀三十枚が入っていた。

マグダラのマリアは唄っていた。

キリスト様が死んだとさ

「ふん、いい気味だ、思い知ったか。……妾は最初あの人が好きで、香油で足を洗い、精々ご機嫌を取ったのに、見返ろうとさえしなかったんだからね。そこでカヤパを情夫にして、進めてあの人を殺させたのさ」