Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎんさんじゅうまい
銀三十枚
国枝 史郎
Lesen Sie 銀三十枚 (ぎんさんじゅうまい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.863 Zeichen · 73 Bildschirme
「贋金なんだよ、古代猶太のね」
「ねえ貴郎」と彼女は云った。
「何人からお借りしていらしったの? 聞かせて下さいよ。さあ直ぐに」
厳粛と云いたいような声であった。彼女にそぐわない声であった。
「佐伯って人だ。佐伯準一郎」
何だか私は不安になった。
「立派な紳士だよ、蒐集家なんだ」
「佐伯準一郎? 聞かない名ね。だって貴郎のお友達の中には、そんな名の方はなかったじゃアないの?」
私は急に厭になった。
「また何かを嗅ぎ付けやがったな、ほんとに仕方のない目っ早小僧だ! だが今度はお生憎様さ、ちょっとも引け目なんかないんだからな」
こんなように考えた。
で、私はやっつけるように云った。
「これから俺の人名簿へ、新しく記けようっていう友人なのさ」
「ねえ貴郎」と彼女は云った。
「どうしてどこでお友達になって?」
「公園でだよ。鶴舞公園でね」
「いつ?」と彼女は追っかけて訊いた。叱るような声であった。
危うく反感を持とうとした。しかし私は差し控えた。不安どころか悲しみをさえ、彼女の顔に見たからであった。
「今日の昼さ。病院の帰りにね。……何だかひどく心配そうだなあ。その可愛い凸ちゃんを、心配させちゃア可哀そうだ。