Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎんさんじゅうまい
銀三十枚
国枝 史郎
Lesen Sie 銀三十枚 (ぎんさんじゅうまい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.863 Zeichen · 73 Bildschirme
都会の貴婦人というものは、蒼い顔でなければ面白くない。どうやら彼女は仏蘭西あたりの、青色の白粉を使うらしい。
臀部が目立って小さくなった。そうして腰が細くなった。彼女の姿勢は立ち勝って来た。
肌が真珠色に艶めいて来た。それは冷たそうな艶であった。
肌理が絹のように細かくなった。
きっと滑らかなことだろう。
だが触れることは出来なかった。彼女がそれを断わるからであった。
遥拝しなければならなかった。
又その方がある意味から云って、私にとっても幸せであった。うっかり障って手が辷って、転びでもしたら困るからであった。
「ああ彼女には洋装が似合う」
ある時私はつくづく云った。決して揶揄的の讃辞ではなかった。
その心配は無用であった。
翌日洋装が届けられた。肌色と同じ真珠色であった。
それを着て彼女は出かけようとした。
チラリと私の顔を見た。瞼を二度ばかり叩いて見せた。
命ずるような眼付きであった。
私は周章て腰をかがめた。
裳裾を捧げようとしたのであった。ひどく気の利く小姓のように。
その配慮は無用であった。
今日流行の洋装は、長い裳裾などはないからであった。