Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
また専斎はゾッとした。冷たい汗が背を流れる。
「わっ! たまらねえ! 化物屋敷だア」
叫ぼうとした時、障子の隙へ奇妙な顔が現われた。
「だ、誰だア!」
と声を掛ける。とたんに破れた渋団扇が障子の間からフワリと出た。それから素足がニョッキリと出てやがて全身を現わしたのを見ると、専斎はキョトンと眼を円くした。もちろん恐怖もあったけれどむしろそれよりはおかしかった。まずその男の風彩は僧でもあり俗でもあった。鼠の衣裳に墨染めの衣、胸に叩き鐘を掛けている。腰に下げたは頭陀袋で手首に珠数を掛けている。頭は悉皆禿げていたがそれでも秋の芒のようにチョンビリと白髪が残っている。そうして酷く年寄である。それが渋団扇を持っているのだ。
「誰だ?」と専斎はもう一度いった。
「貧乏神さ。ごらんの通りね」
「貧乏神だ? どこから来た!」
「フフフフお前さんの家からさ」
いいすてるとスルスルと床の間の方へ貧乏神は歩いて行った。
「どこへ行く!」といいながら専斎はヌッと立ち上がった。
正金で五十両
「やかましいやい! へぼ医者め!」
振り返って睨んだ眼の凄さに専斎はペッタリ尻餅をついた。