Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
「へい、写山楼と申します」
「写山楼? ふうむ、写山楼?」紋太郎はしばらく考えていたがにわかにポンと膝を打った。
「聞いた名だと思ったが写山楼なら知っている」
「へえ、旦那様はご存知で?」
「文晁先生のお邸であろう?」
「へえへえ、さようでござりますよ」
「※叟無二、画学斎、いろいろの雅号を持っておられるが、画房は写山楼と名付けられた筈だ。……ふうむ、さようか、写山楼で、さような大普請をなされたかな。……えっと、ところで、その写山楼に、痩せた気味の悪い老人が一人住んではいないかな?」
「さあそいつは解らねえ。何しろあそこのお邸へは、種々雑多な人間がのべつにお出入りするのでね」――職人だけに物のいい方が、飾り気がなくぞんざいである。
「おお、そうであろうそうであろう。これは聞く方が悪かった。……文晁先生は当代の巨匠、先生の一顧を受けようと、あらゆる階級の人間が伺向するということだ」
「へえへえ旦那のおっしゃる通りいろいろの人が参詣します。武士も行くし商人も行くし、茶屋の女将や力士や俳優なんかも参りますよ。ええとそれからヤットーの先生。……」
「何だそれは? ヤットーとは?」