Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
「いや全く悪い子を持つと親は心配でございますよ」
嘆息するように三津五郎はいった。
「私の所の小次郎は何と云っても拾い子で心配の度も少いが、あなたの所は血を分けた実子さぞ心配でござんしょうな」
団十郎も気の毒そうにしみじみとしていったものである。
後の出し物はまとまらず追って相談ということになり、団十郎の帰った頃から日はひたひたと暮れて来た。
その後の相談で決まったのは「一谷双軍記」とそれに「本朝二十四孝」それへ「暫」と「関の戸」を加えすっかり通そうというのであった。
同じ浅草花川戸に七代目団十郎の邸があったが、天保年間奢侈のゆえをもって追放に処せられた彼のことで、その邸の美々しさ加減はちょっと形容の言葉もないが、その邸の二階座敷に小次郎はツクネンと坐っていた。
十九年前一歳の時に観音様の境内に籠に入れられて捨ててあったのを慈悲深い団十郎が拾い上げ手塩にかけて育てたところ、天の成せる麗々と不思議に小手先が利くところから今では立派な娘形で、市川小次郎の名を聞いただけでも町娘や若女房などは、ボッと顔を染めるほどの恐ろしい人気を持っていた。
振り袖を着、帯を締め、黙って部屋に坐っていてもこれが男とは思われない。