Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
「怨恋のないようにと二つに割って十両ずつさあやるから取るがいい」
「え、十両おくんなさる?」さもさも感心したように、「いやもくれっぷりのよいことだの。それじゃ余り気の毒だ」
さすがに尻込みするのであった。
二
「なんのなんのその斟酌、どうでものした他人の金だ」
「いかさまそれには違えねえ、では遠慮なく頂戴といくか」
「さあ」
と云って投げた小判は、初雪白い地へ落ちた。
「ええ何をする勿体ねえ」
男は屈んで拾おうとした。そこを狙って片手の抜き打ち。その太刀風の鋭さ凄さ。起きも開きも出来なかったかがばとそのままのめったが、雪を掬って颯と掛けた。これぞ早速の眼潰しである。
武士は初太刀を為損じて心いささか周章てたと見え備えも直さず第二の太刀を薙がず払わず突いて出た。
「どっこい、あぶねえ」
と、頬冠りの男は、この時半身起きかかっていたが、思わず反り返った一刹那、足を外ずしてツルリと辷った。
してやったりと大上段、武士は入り身に切り込んだ。と、一髪のその間にピューッと草履を投げ付けた。束で払って地に落とし、追い逼る間にもう一個を、またも発止と投げ付ける。