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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

と、闇から生まれたように、浅草花川戸の一所に、十人の人影が現われた。一人の人間を真ん中に包み丸く塊まって進んで来た。一軒の屋敷の前まで来た。黒板塀がかかっていた。門がピッタリ閉ざされていた。屋根の上に仄々と、綿のようなものが集まっていたがどうやら八重桜の花らしい。

その前で彼らは立ち止まった。

とまた十人の一団が一人の人間を真ん中に包み、闇の中から産まれ出た。それが屋敷へ近付いて来た。先に現われた一団と後から現われた一団とは、屋敷の門前で一緒になった。互いに何か囁き合った。わけのわからない言葉であった。

慶安以来の大捕り物

「背に幾多の宝玉ありや?」

「一百八」

「途上虎あり、いかにして来たれる?」

「我すでに地神に請えり、全国通過を許されたり」

「汝橋を過ぎたるや否や?」

「我過ぎたり矣」

「いずれの橋ぞ?」

「二板の橋」

「これすなわち二板橋、何ゆえに二板の橋というや?」

「明末に清これを毀ち、なおいまだ修せられず」

「何んの木の橋ぞ?」

「否々これ樹板にあらず、左は黄銅、右は鉄板」

「誰かこれを造れるものぞ?」

「朱開、及び朱光の徒」

「二板橋の起原如何?」

「少林寺焚焼され、五祖叛迷者に傷害されんとするや、達尊爺々験を現わし、黄雲を変じて黄銅となし黒雲を変じて鉄となす」