Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
「それもご治世が悪かったからさ。人間いよいよ食えなくなると、どんな事でもやるものだからな」
ちょっと弓之助は感慨に耽った。
「ご治世は変わったじゃあありませんか。越中守様がお乗り出しになり」
「有難いことには変わったね。これから暮らしよくなるだろう。ところでどうだいお前の心は」
「何がさ?」
とお色は怪訝そうに訊いた。
「変わったかよ? 変わらないかよ?」
「そうねえ」
とお色は物憂そうにいった。「あなた、お役附きになったんでしょう?」
「越中守様のお引き立てでね」
「権式張らなければいけないわねえ」
「へえ、そうかな、どうしてだい?」
「お役人様じゃあありませんか」
「ほほうお役人というものは、権式張らなけりゃあいけないのかえ」
「みんな威張るじゃあありませんか」
「よし来た、それじゃあおれも威張ろう」
「では、妾はさようならよ」
「おっと、おっと、どういう訳だ?」
「妾威張る人嫌いだからよ」
「俺が」と弓之助はゴロリと左寝の肘を後脳へ宛てた。「威張れるような人間なら、もっと早く役附いていたよ」
「どうしてでしょう? 解らないわ」
「一方で威張る人間は、それ一方では諂うからさ」
「ああそうね、それはそうだわ」