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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

と、卒然と三右衛門は云った。「百両のお金がございましたらせめて当座の借金だけでも皆済することが出来ますのになあ」

「なに?」と初めて紋太郎は用人の方へ顔を向けた。「この喜撰を売れとでも云うのか?」

「米屋醤油屋薪屋まで、もうもうずっと以前から好い顔を見せてはくれませぬ。いっそお出入りを止めたいなどと……」

「なるほど」

といったが、この瞬間芸術的の恍惚境は跡形もなく消えてしまい、苦々しい現実の生活難が紋太郎の眼前へ顔を出した。で紋太郎は腕を組んだ。

その翌日のことであったが、旅装束の若侍が木曽街道を歩いていた。他でもない藪紋太郎である。

板橋、わらび、浦和、大宮と、彼はずんずん歩いて行った。彼は知行所の熊谷まで、たとえどんなに遅くなっても是非今日じゅうに着きたいものと、朝の三時に屋敷を出てここまで歩いて来たのであった。

彼は渋面を作っている。足が疲労れているからであろう。……と思うのは間違いで、実は彼は不思議な老人に後を尾行られているのであった。

彼がそれに気が付いたのは、下板橋とわらびとの間の松並木の街道をスタスタ歩いている時で、何気なく見ると自分と並んで穢らしい爺さんが歩いている。