Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
それが喜撰様でございましょうがな。……そうして旦那様は知行所で、そのご家宝の喜撰様を金に代える気でござりましょうがな」
「むう」と紋太郎は思わず唸ったが、
「ははあさようか、いや解ったぞ。察するところそのほうは邸近くの町人であろう。それで事情を知っているのであろう」
「はいさようでございますよ。旦那様のすぐお側に住んでいる者でございますよ」
「ついぞ見掛けぬ仁態じゃが、どこら辺りに住んでいるな?」
「ほんのお側でございます旦那様のお邸内で」
「莫迦を申せ」
と紋太郎は苦々しく一つ笑ったが、
「邸の内には用人とお常という飯煮き婆。拙者を加えて三人だけじゃ」
「へへへ」
と老人はそこでまた気味悪く笑ったが、
「どう致しましてこの老人は、ご尊父様の時代からずっとずっとお邸内に住居しているものでございますよ」
ははあこいつ狂人だな。……紋太郎は気が付いた。そこでガラリ調子を変え、
「ところでお前は何者だな? そうしていったい何という名だ?」
「貧乏神と申します」
いったかと思うと老人は煙りのように揺れながらス――とばかりに立ち上がった。
「私はな」と老人はいいつづける。「永らくの間お前の所で、厄介になっていた貧乏神じゃ。