Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.163 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

あのとき天びん棒を持って飛び出すと、合長屋の奴らが折重なって留めるじゃないか。言い草が良いやな、秋山の阿魔なんざ、三枚におろしたって文句はねえが、仙台様のお忍びの行列に間違いがあっちゃ、町内一統の迷惑だってやがる。勝手にしやがれ、――そんなことで俺はあの阿魔を殺し損ねたんだ。下手人になるのが怖くて言うんじゃねえ。憚りながら磯の安松だ、三尺高い木の上から小唄の良い喉を海の向うの房州の阿魔っ子に聴かせ度やりてえくらいのものだ」

まさに大虎です。格子の中へ首を突っ込んだ八五郎は引っ込みがつかなくなって眼を白黒しております。

平次はそこを宜い加減にきり上げて、宇田川町の秋山佐仲の浪宅に向いました。

娘喜美の死体は、検屍が済むとすぐ宇田川町に運んでその晩はそのまま、親類と近所の衆とでお通夜を営んでおりました。

「銭形の親分か、娘を殺した奴の見当でも付いたのかな」

秋山佐仲は持前の愛嬌をかなぐり捨てて、恐しく無愛想に平次を迎えました。

「まるっきり見当もつきません。が、今夜のうちにいちおう調べたいことがありますので」

「そうか、勝手にするが宜い」

秋山佐仲はそっぽを向いて、線香などをあげたり口小言でも言うように念仏を称えております。