Japanische Klassiker mit Furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Lesen Sie 錦木 (にしきぎ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.481 Zeichen · 103 Bildschirme
とこの間の文にありましたもの」
と云う女はおとなしそうなあんまり小才のききそうもない女である。
ひまな女達はあけくれ人の品定めや化粧のしかたの工夫やらで日を暮して居る。西の対の紫の君の部屋では急に母君のところから「海辺の見はらしのよい家が出来たから少し気散じに行っていらっしゃい」
と云われたので女達は大さわぎをして居る。乳母は女君がいやだと云って大変こまるので、
「ネー、モシ、貴女はどう御思になりますか。私はきっと光君があんまり何なので少しの間ほとぼりをさますようにとお思いになってなのでのことだろうと思いますから御出で遊ばした方がようございますよ」と云ったので、
初めは首を横にふって居た女君もそれではとうなずいたので急に仕度にとりかかっていよいよいつでも出られると云う様にそろったのは四日の後であった。
五日目の日、日柄も好しお天気も定まったからと云うのでいよいよ出ることになった。仰山な別れの言葉などをかわして車に乗った女達は尚残りおしげに時々車簾を上げては段々小さくなって行く館を見て居た、やがてそれも見えなくなった時には急につまみ出された様な気持で誰も話もしないので一人一人違った思を持って居た。