Japanische Klassiker mit Furigana
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さっかくすうだい
錯覚数題
寺田 寅彦
Lesen Sie 錯覚数題 (さっかくすうだい) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.152 Zeichen · 18 Bildschirme
しかし撓いぐあいはたしかにこのほうが柔らかで、ぎごちなくないように思われる。これに反して木製の柄で割り竹を無理にしめつけたのは、なんとなく手ごたえが片意地で、柄の付け根で首がちぎれやすい。
そんな理屈はどうでもよいとして、こうまでも「流行」という、えたいの知れぬ人工的非科学的な因子が、送風器械としては本来科学的であるべき器具の設計に影響を及ぼすものかと驚かれるくらいである。しかし、考えてみると、団扇や扇のようなものは元来どこまでが実用品で、どこまでが玩弄品であるか、それはわからない。玩弄品としては、年々目先が変わって、それで早くこわれてしまうほうがいいに違いない。
ただ困るのは、資本家でもなく、民衆でもなく、流行にかまわぬ趣味上のリベラリストだけであろう。しかし、机の引き出しを引っぱればあくものと思っているのが錯覚であるように、自分のほしいものが市場にあるはずだと思うのはやはりはなはだしい錯覚であるに相違ない。
三 捜すものは無い
捜さない時には、邪魔なほどに目の前にころがっているものが、いざ入用となって捜すときはなかなか見つからない。こういう気のする人は少なくないであろう。