Japanische Klassiker mit Furigana
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かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Lesen Sie 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.188 Zeichen · 43 Bildschirme
いつも内部で気をつけていると、鉄の腕金の方は下ろされ、錠前の方は午後十一時の点検がすむとピチンと下ろされるが、それまではいつも外されていることが分った。すると結局扉の外の横になっている腕金だけ、縦にできさえすれば、この部屋から出られることになるのだが、室内からその腕金に手を届かせられるような都合のよいことにはなっていなかったし、その腕金を見ることもできなかった。それに腕金は端の方に、時計の振子を大きくしたような相当な錘りがついていたから、腕金を上げるのにかなり骨が折れた。――しかし結局、僕の覘いどころは、この腕金を監禁室の内部から外すことにあった。
脱走計画のことで、最初に僕を元気づけたものは、この扉のすぐ左側の壁の、その一番下のところに三寸四方ほどの四角い穴が切ってあることだった。これは空気抜けの穴でもあったし、また室内を水で洗浄するとき、その水の捌け口でもあった。この穴に手首を入れてみると、楽に入った。しかし腕の附け根まで入れてみても、手首は腕金にはとうてい届かない距離にあった。その距離は約二尺だった。もう二尺だけ手が長ければ腕金の錘りにとどいて腕金を起こすことができるのだが、人間の手がこの上二尺も長かったら、それは化物である。