Japanische Klassiker mit Furigana
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かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Lesen Sie 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.188 Zeichen · 43 Bildschirme
うどんを食べるには、必ず杉の割箸がついてくるが、僕は食べ終ると、これをポキンと二つに折って丼の中へ投げ込み、下げてもらった。が、実はそこに種があるのだった。箸は二つに折れて、丼の中に入っているようであったが、本当は僕はそれを三つに折り、両端の二つを丼の中に入れ、そして真中の部分をひそかに貯えはじめたのだった。だから二つに折れているものを継いでみると、箸の寸法が足りないことがすぐ分る筈だった。しかし監守は箸が二つに折れていることに安心して、寸法の足りないところまでに気がつかなかった。
辛抱に辛抱を重ねて、短い杉箸を集めていった僕は、もうよかろうというところに達した。こんどは方針をかえて、夕飯のときの御飯をすこしずつポケットに忍びこませた。そして監守が膳を下げ、身体を点検して帰ってしまうと、その飯をとりだして、練りあわせて練飯を作った。そしてよく練れた練飯でもって、杉箸の片を四方一束に貼りあわせ、且つ一本ずつ少しばかり端を不揃いにして置いて、だんだん先へ長く継いでいった。結局一と月かかったけれどこんな風にしてとうとう二尺あまりの丈夫な棒切れを作ることが出来た。