Japanische Klassiker mit Furigana
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かぎやのつじ
鍵屋の辻
直木 三十五
Lesen Sie 鍵屋の辻 (かぎやのつじ) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.524 Zeichen · 25 Bildschirme
しかし対手が老人で通らない。又しても聞くのに対して又右衛門は又返事をしながら鉾子尖(きっさき)をカチリと半兵衛の太刀先へ当てながらじりじりと追込んでくる。槍をもたしたならどうなったか知れぬが武右衛門の命がけの働で槍をとる隙がないから半兵衛は歩の悪い太刀打である。喋りながらも寸毫(すこし)の隙なく詰寄せてくる太刀に気は苛立ちながら、押され押されして次第に追込まれる。軒下に焚物の枯松葉が積んであったが其処まで押つけられてしまった。散らかしてある松の小枝に半兵衛の踵がかかる、その「間」、
「エイッ」
心得て一足退る。足をとられて松葉の上へ倒れかかるその一髪の隙、来金道が肩先へ斬込んできた。どっと倒れる所、孫右衛門得たりと斬つけて耳の上と眼の上へ傷(て)を負(おわ)せた。ハラハラとして、その様をみていた市蔵、来金道が打込むとき吾を忘れて走出した。振かぶった木刀、どしりと又右衛門の腰へ入った。綿入二枚に帯までしめていては痛い事も無い。二度目の木刀を又右衛門振かえりざま、
「危いぞッ」
と、払ったが、市蔵は死物狂い、三度目は憎い刀めと伊賀守金道を撲った。又右衛門も後に『不覚であった』