Japanische Klassiker mit Furigana
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うし
鎧櫃の血
岡本 綺堂
Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme
そこで捕物の立廻り、熊吉はとうとう召捕りになって、小雛と共に引っ立てられるので幕……。それからだんだん調べられると、小雛はたしかに牛を見たという。熊吉は見ないという。捕り方も牛らしい物は見なかったという。夜ふけの橋の上に、牛がただうろうろしている筈はないから、見ないという方が本当らしい。なにしろその牛のために道を塞がれて引っ返すところを御用。どの道、女づれでは逃げおおせられなかったかも知れないが、この捕物には牛も一役勤めたわけだ。」
「そうすると、四年前の牛の一件が小雛の頭に強く沁み込んでいたので、この危急の場合に一種の幻覚を起したのでしょうね。」
「まあ、そうだろうな。今の人はそんな理屈であっさり片づけてしまうのだが、むかしの人はいろいろの因縁をつけて、ひどく不思議がったものさ。これで小雛が丑年の生れだと、いよいよ因縁話になるのだが、実録はそう都合よくゆかない。」
昭和十一年十二月作「サンデー毎日」