Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うし
鎧櫃の血
岡本 綺堂
Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme
そして、三日過ぎ、五日を送って、伊平が元のからだになるまでには小半月を過ぎてしまった。そのあいだ、かの娘は他人とは思えない程にかいがいしく立ち働いて、伊平を感謝させた。近所の人達からも褒められた。
娘は江戸の生れであるが、七つの時に京へ移って、それから諸国を流浪して、しかも、継母にいじめられて、言いつくされない苦労をした末に、半分は乞食同様のありさまで、江戸の身寄りをたずねて下る途中であるが、長いあいだ音信不通であったので、その身寄りも今はどこに住んでいるか、よくは判らないというのである。
そういう身の上ならば、的もなしに江戸へ行くよりも、いっそここに足を留めてはどうだと、伊平は言った。近所の人たちも勧めた。娘もそうして下されば仕合せであると答えた。その以来、お糸という娘は養女でもなく、奉公人でもなく、差しあたりは何ということもなしに伊平の家に入り込んで、この頃では商売の手伝いまでもするようになった。お糸は色白の上に容貌も悪くない。小さいときから苦労をして来たというだけに、人付合いも悪くない。それやこれやで近所の評判もよく、伊平さんはよい娘を拾い当てたと噂されている。