Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

に、さんば――じゅうに、さんば

鏡花短篇集

泉 鏡花

Lesen Sie 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.305 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

さあ、此処からが目差す御山というまでに、辻堂で二晩寝ました。

後はどう来たか、恐い姿、凄い者の路を遮って顕るる度に、娘は私を背後に庇うて、その鎌を差翳し、矗と立つと、鎧うた姫神のように頼母しいにつけ、雲の消えるように路が開けてずんずんと。」

時に高坂は布を断つが如き音を聞いて、唯見ると、前へ立った、女の姿は、その肩あたりまで草隠れになったが、背後ざまに手を動かすに連れて、鋭き鎌、磨ける玉の如く、弓形に出没して、歩行き歩行き掬切に、刃形が上下に動くと共に、丈なす茅萱半ばから、凡そ一抱ずつ、さっくと切れて、靡き伏して、隠れた土が歩一歩、飛々に顕れて、五尺三尺一尺ずつ、前途に渠を導くのである。

高坂は、悚然として思わず手を挙げ、かつて婦が我に為したる如く伏拝んで粛然とした。

その不意に立停ったのを、行悩んだと思ったらしい、花売は軽く見返り、

「貴方、もう些とでございますよ。」

「どうぞ。」といった高坂は今更ながら言葉さえ謹んで、

「美女ヶ原に今もその花がありましょうか。」

「どうも身に染むお話。どうぞ早く後をお聞せなさいまし、そしてその時、その花はござんしたか。