Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちょうじゃ

長者

田中 貢太郎

Lesen Sie 長者 (ちょうじゃ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.532 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

「私は大名に生れとうございます」

「よし、罪業が消えたなら、大名にうまれるようにしてやる」

こう云って大師は小石を拾って、南無阿弥陀仏と六字の名号を書き、それを長者にやると、長者はそれを握って合掌した。大師はそれを見ると、如意を持って長者の腰のあたりを打ったので、長者は其のまま呼吸が絶えた。

で、大師は長者の死骸を其処へ葬って、其の上に杉の杖を逆さに立てて置いて、何処ともなく往ってしまった。

其の後、長者の墓の上に立てた杉の杖は、芽をふき枝が出て、年々大きくなって、高さ雲を凌ぐばかりになった。

其の逆さ杉には、雨が降り、風が枝を曲げ、雪が痛めて、さながら罪業の深い長者に代って、其の苦しみを受けているようであった。

そして、八十年目の長者の死んだ命日になると、其の杉は火になって焚けてしまった。

其の比であった。河内の国の豪族の家に小児が生れたが、両手を合掌して開かないので、護摩を焚き経を読んでいると、やっと掌をあけたが、其の中から南無阿弥陀仏と書いた石を落した。

そして、其の小児は成長して、大名になったのであった。