Japanische Klassiker mit Furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme
信州の何とか云う人が作ったと、聞いた時から、俺の事だ俺の身の上を咏んだのだと、馬鹿相応の一つ憶えで、ツイ口に出たのでござんす。親はあっても顔さえ知らず、居どころだって知らねえあッしに、本当の親の味はわからねえんでござんすが、またそれだけに、ああもあろうか、こうもあろうかと、夢か妄想に描くような、あッしにはあッし相応の考え方がござんすのさ。お邪魔をしましたお袋さん、妹さん、番場の忠太郎は只今限り、半次郎さんと縁切りでござんす。ご免なさんせ。
おむら え、聞き分けてくださいましたか。
忠太郎 親のねえ子は人一倍、赤の他人の親子を見ると、羨ましいやら嫉ましいやら。おさらばでござんす。
半次郎 (障子を開き駈け出る)哥児――哥児。
忠太郎 半次か――堅気になれ。よ。よ。(去る)
半次郎 哥児――とうとう、行っちゃったか。
おぬい 兄さん、もうきょうから本当に堅気になってくれるんだろうねえ。
半次郎 (忠太郎を思い)す、すまねえ。
おむら (垣に凭って忠太郎を見送る)半次郎や、今の人は親なし子かい。
半次郎 え? 忠太郎哥児のことか。あの人は五つの時に母親と、生き別れをしたんだそうだ。