Japanische Klassiker mit Furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme
時次郎 へい。今直ぐ伺いますですが、日当は。さもしいようだが、何分この態たらくなので、三文だって余計欲しうござんすからね。
安兵衛 これだ。(指を一本出す)昼夜十二刻ブッコ抜きだよ。
時次郎 有難え。一分にありつけるか。
安兵衛 違う違う一分じゃねえ。
時次郎 (やや落胆して)一朱かね。
安兵衛 違う違う一朱じゃねえ。一両だ。魂消たか。
時次郎 うン、一両とは、魂消た。
おきぬ 昼夜ブッコ抜きにしても一両とは。どんな仕事なんでしょう、少し心配だねえ。
安兵衛 そりゃね、心配は心配な仕事さ。でなくて一両なんて出す訳がねえ。
おきぬ どんな仕事でしょうか。聞かせてくださいませんか。
安兵衛 (いい兼ねる)
時次郎 は、はは。仕事はあっしがするのだ。産婦さんは黙って養生してるもんですぜ。なあおきぬさん。元の渡世へ戻りさえすれば、うぬに銭金は錏一文なくても、食う寝るには困らねえ。だが、三蔵どんのあの態を見るにつけ、やくざ渡世がふるふる厭になったというお前の料簡は、俺にも可成りピーンときたから、生れ故郷の追分をお前の絃で流しの稼ぎだ。それも今では出来なくなって見れば、やくざの道じゃ一ッ端のつもりでも、素ッ堅気の道にかけては取り柄のねえあっしだ。