Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme

Aozora Bunko

(引返す)

八丁徳 安兵衛さんご夫婦ご免なさいよ。(子分を三人連れて入ってくる)

安兵衛 まあ、こっちへ、どうぞ。

八丁徳 はい。失礼いたします。(座につき)この頃中はいろいろ有難うございました。お前さんが向けてくれた助ッ人は沓掛時次郎さんという商売人だと、あとで聞いて成程そうかと膝を叩きましたよ。あの人ひとりで切って廻し、十人に一人の小勢で、出入りはどうやらこっちが勝目さ。きょうはそのお礼をいい旁々時次郎さんに折入って相談があって参りました。

おろく 時さんにですか。

安兵衛 後手だ。遅かった。もう時さんはここにゃ居ませんよ。左様さ、もう宿外れから五、六丁も行ったろう。

八丁徳 草鞋を穿いちゃったか。惜しいことを。――のう安兵衛さん、立つなら立つで、一度俺に知らせてくれそうなものだった、恨むぜ。

安兵衛 ごもっともです。きのうがおきぬさんの初七日で、きょうはまだ一日居るようなことをゆうべいってたが、急に出立するようになったのは、親分もちっと悪かった。

八丁徳 わしに悪いことがありましたか。

安兵衛 きのうの法事に、親分は、ばくち打ちとしての交際で、おきぬさんの法事に人を寄こしたでござんしょう。