Japanische Klassiker mit Furigana
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かいひいちようちょう
開扉一妖帖
泉 鏡花
Lesen Sie 開扉一妖帖 (かいひいちようちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.898 Zeichen · 40 Bildschirme
それなの、あなた、ただいま行いました、小さなこの人形たちは。」
掌にのせた紙入形を凝とためて、
「人数が足りないかしら、もっとも九ツ坊さんと来りゃあ、恋も呪もしますからね。」
で、口を手つだわせて、手さきで扱いて、懐紙を、蚕を引出すように数を殖すと、九つのあたまが揃って、黒い扉の鍵穴へ、手足がもじゃ、もじゃ、と動く。……信也氏は脇の下をすくめて、身ぶるいした。
「だ……」
がっかりして、
「めね……ちょっと……お待ちなさいよ。」
信也氏が口をきく間もなく、
「私じゃ術がきかないんだよ。こんな時だ。」
何をする。
風呂敷を解いた。見ると、絵筒である。お妻が蓋を抜きながら、
「雪おんなさん。」
「…………」
「あなたがいい、おばけだから、出入りは自由だわ。」
するすると早や絹地を、たちまち、水晶の五輪塔を、月影の梨の花が包んだような、扉に白く絵の姿を半ば映した。
「そりゃ、いけなかろう、お妻さん。」
鴾の作品の扱い方をとがめたのではない、お妻の迷をいたわって、悟そうとしたのである。
「いいえ、浅草の絵馬の馬も、草を食べたというじゃありませんか。お京さんの旦那だから、身贔屓をするんじゃあないけれど、あれだけ有名な方の絵が、このくらいな事が出来なくっちゃ。