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Japanische Klassiker mit Furigana

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かっか

閣下

佐々木 邦

Lesen Sie 閣下 (かっか) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.494 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

閣下はそれをベッドの上から脂汗を流して見入っていたが、やがて、

「お柳や、我輩は含嗽をする」

と命じた。

「は」

と奥さまは含嗽薬を持って行った。

「いや、しるこでやる」

「何うでございましょうかね?」

「いけますまいよ。旦那さまは屹度召し上りますから」

と看護婦は応じなかった。

「それじゃ香を嗅ぐ」

と理性の人はナカ/\執着が強い。

「香丈けなら差支えありますまい。しかし女の力では奪われるといけませんから、私が持っていましょう」

と私は気の毒になって閣下の味方をした。閣下はおしるこの香を嗅いだが、

「矢っ張り甘い香がしますな。しかし唯嗅ぐだけなら酒にして貰いたい」

と囁いた。

もう大分恢復した筈と思って、私は今日又見舞いに寄った。閣下は眠っていたが、この間より余程肉がついて血色も比較的好くなっていた。

「お蔭さまで明後日あたり退院出来そうですが、斯う我儘を申しては家へ帰ってからが案じられます。いっそのこともう少し瞞して置く方が安全かとも存じますのよ」

と奥さんは早速訴え始めた。

「到頭おしるこで含嗽をなさいましたね?」

と私は先頃のことを思い出した。

「いゝえ、おしるこぐらいもう戴いても宜しいのですが、それからそれといけないものねだりを致します。