Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうぎゅう

闘牛

野上 豊一郎

Lesen Sie 闘牛 (とうぎゅう) von 野上 豊一郎 (のがみとよいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.037 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

人道的な神経を働かしてくよくよ思うような者は、闘牛場などには初めから入らない方がよいらしい。

ひょっと気がつくと、勇敢な牛の頸には小旗のような赤い小さいきれがひらひらしている。どこそこの牧場で育ったという出身を示すデヴィザ(色じるし)である。

正面寄りの板囲いの前の其処此処に立ってる闘牛士の数人が牛の方へ歩み寄り、一人ずつ赤い合羽を振ってからかいかける。牛は赤い色が癪にさわると見え、大きな角で突っかかって行く。それを巧みに外すと、また次の者が赤い合羽を振っておびき寄せる。そうするのをテュロ(おこつり役)という。牛はテュロたちに誘惑され、角を振りながら正面のバレラスの前へ引き寄せられる。

其処にはピカドル(槍役)が馬上に槍を掻い込んで待っている。ピカドルの足は重そうな脛当で保護されている。馬は左の腹を板囲いにくっつけ、右の腹を牛の攻撃に曝している。右の目が繃帯で包まれてあるから、兇暴な敵が迫って来てもわからないのである。遂にテュロたちは牛を馬の傍まで誘い寄せることに成功すると、ピカドルはいきなり槍を右手で持ち上げて、牛の頸根をねらって突く。穂尖は短いけれども、咽喉までも通るかと思われるほど深く嵌まる。