Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おかめ

阿亀

豊島 与志雄

Lesen Sie 阿亀 (おかめ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.900 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

――おや、変なところに……。

じっと見つめると、お久はあるかないかの会釈を眼付に示して、そのまま顔を伏せてしまった。

見廻したが、連れらしい者もない。

――変な奴だな、カフェーから姿を隠し、こんなところに……。

怪しいという気持と、一寸親しみの気持とで、何気ない風をして寄っていった。

「暫くだね……。」

低めたつもりの声が、がんと響いたと思われるほど強く反応して、彼女ははっと顔を挙げた。

「どうしたんだい……球を撞くのかい。」

真正面に見向いてる眼が、軽い滑稽な敵意を帯びて、わざとらしく睥めている。――二三ヶ月以前よりは、顔が引締って綺麗になっていた。

「いいえ、球なんか……。」

「じゃあ……。」

「一寸用があった……。」

「へえー……。」

「今ね、家をもってるのよ。」

笑いかけた眼付へ、とたんにぶっつけられたその言葉が、低く、説きさとすような調子に響いたので、持ってゆきどころのない気持から、ぼんやりと眼と口とを打開いた。と、彼女はくしゃくしゃな顰め顔をした。目玉を寄せ、眉根を寄せ、頬辺と口許とを歪めて、怒ってるのか笑ってるのか分らない、痙攣的な顰め顔だった。