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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんじゅう

陰獣

江戸川 乱歩

Lesen Sie 陰獣 (いんじゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.968 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

六

にある天井から毒薬をたらす様な、馬鹿馬鹿しい真似が出来る筈はないし、天井裏へ忍込んだからと云って、人が殺せるものではない。こんな怖がらせは、如何にも大江春泥らしい稚気で、こうしてさも何か犯罪を企らんでいる様に見せかけるのが、彼の手ではないか。高が小説家の彼に、それ以上の実行力があろうとは思われぬ。という風に彼女を慰めたのであった。そして、余り静子が怖がるものだから、気休めに、そんなことを好きな私の友達を頼んで、毎夜物置の辺の塀外を見張らせることを約束した。静子は丁度西洋館の二階に客用の寝室があるのを幸、何か口実を設けて、当分彼女達夫婦の寝間をそこへ移すことにすると云っていた。西洋館なれば、天井の隙見なぞ出来ないのだから。

そして、この二つの防禦方法は、その翌日から実行されたのであったが、だが、陰獣大江春泥の恐るべき魔手は、その様な姑息手段を無視して、それから二日後の三月十九日深夜、彼の予告を厳守し、遂に第一の犠牲者を屠ったのである。小山田六郎氏の息の根を絶ったのである。

六

春泥の手紙には六郎氏殺害の予告に附加えて「だが慌てることはない。私はいつも急がないのだ」