Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちんじょうしょ

陳情書

西尾 正

Lesen Sie 陳情書 (ちんじょうしょ) von 西尾 正 (にしおただし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.750 Zeichen · 38 Bildschirme

Aozora Bunko

のかい、君は? 念の為にもう一度訊くが、君は高円寺一丁目の文士青地大六さんでしょ? ふん、ふん、そんなら焼死体は、君の家主の好意で三丁目の大塚外科病院に収容して有るから、早やく行って始末をして来給え、と殊勝らしく注告するのであります。私は益々可笑しくなりまして、刑事さん、私の女房は姦婦でして、昨夜或る所で男との密会最中を発見し、私が此の手で撲殺して来たのですよ、一応取調べて下さい、と云いますと、相手はぐっと乗り気に成って、一体それは何時頃か、と追及して参りました。私は大体の時間を割り出して、十一時過ぎだったと思いますよ、と答えますと、相手は一寸の間考えて居たが、急にいやァな苦笑いをし、変に憐愍の眼眸を向け、ふふふふ……何を云ってるんだ、君は、昨夜の火事は十一時頃から熾え出して十二時過ぎ迄消えなかったんだぜ、君はどうかしているよ、君は、同じ奥さんが二人居るなんて、そんな馬鹿な事があるもんかい、ささ、帰り給え、行って早く始末をせにゃいかんよ、と到頭私を署外へ追い出して了ったので有ります。

其の後の事は、多分閣下もよく御存知の事と思います。即ち其の日の朝刊は、二つの小事件を全然別個のものとして全市に報じて居たのであります。