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Japanische Klassiker mit Furigana

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かげろうざ

陽炎座

泉 鏡花

Lesen Sie 陽炎座 (かげろうざ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.381 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

そんなら、ここから一つ名を呼んで捜す事にいたしましょう。頭、音頭を願おうかね。」

「迷児の音頭は遣りつけねえが、ままよ。……差配さん、合方だ。」

チャーンと鉦の音。

「お稲さんやあ、――トこの調子かね。」

「結構でございますね、差配さん。」

差配はも一つ真顔でチャーン。

「さて、呼声に名が入りますと、どうやら遠い処で、幽に、はあい……」と可哀な声。

「変な声だあ。」

と頭は棒を揺って震える真似する。

「この方、総入歯で、若い娘の仮声だちね。いえさ、したが何となく返事をしそうで、大に張合が着きましたよ。」

「その気で一つ伸しましょうよ。」

三人この処で、声を揃えた。チャーン――

「――迷児の、迷児の、お稲さんやあ……」

と一列び、筵の上を六尺ばかり、ぐるりと廻る。手足も小さく仇ない顔して、目立った仮髪の髷ばかり。麦藁細工が化けたようで、黄色の声で長せた事、ものを云う笛を吹くか、と希有に聞える。

美しい女は、すっと薄色の洋傘を閉めた……ヴェールを脱いだように濃い浅黄の影が消える、と露の垂りそうな清い目で、同伴の男に、ト瞳を注ぎながら舞台を見返す……その様子が、しばらく立停ろうと云うらしかった。