Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かげろうざ

陽炎座

泉 鏡花

Lesen Sie 陽炎座 (かげろうざ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.381 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「や、そんなら、お前様方は、亡者をお捜しなさりますのか。」

「そのための、この白張提灯。」

と青月代が、白粉の白けた顔を前へ、トぶらりと提げる。

「捜いて、捜いて、暗から闇へ行く路じゃ。」

「ても……気味の悪い事を言いなさる。」

「饂飩屋、どうだ一所に来るか。」

と頭は鬼のごとく棒を突出す。

饂飩屋は、あッと尻餅。

引被せて、青月代が、

「ともに冥途へ連行かん。」

「来れや、来れ。」と差配は異変な声繕。

一堪りもなく、饂飩屋はのめり伏した。渋団扇で、頭を叩くと、ちょん髷仮髪が、がさがさと鳴る。

「占めたぞ。」

「喰遁げ。」

と囁き合うと、三人の児は、ひょいと躍って、蛙のようにポンポン飛込む、と幕の蔭に声ばかり。

――迷児の、迷児の、お稲さんやあ――

描ける藤は、どんよりと重く匂って、おなじ色に、閃々と金糸のきらめく、美しい女の半襟と、陽炎に影を通わす、居周囲は時に寂寞した、楽屋の人数を、狭い処に包んだせいか、張紙幕が中ほどから、見物に向いて、風を孕んだか、と膨れて見える……この影が覆蔽るであろう、破筵は鼠色に濃くなって、蹲み込んだ児等の胸へ持上って、蟻が四五疋、うようよと這った。