Japanische Klassiker mit Furigana
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かりさかごえ
雁坂越
幸田 露伴
Lesen Sie 雁坂越 (かりさかごえ) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.263 Zeichen · 28 Bildschirme
三度目四度目になれば、口惜しいと思いながら打たれた。それから先はもう死んだ気になってしまって打たれていたが、余りいつまでも打たれている中に障えることの出来ない怒が勃然として骨々節々の中から起って来たので、もうこれまでと源三は抵抗しようとしかけた時、自分の気息が切れたと見えて叔母は突き放って免した。そこで源三は抵抗もせずに、我を忘れて退いて平伏したが、もう死んだ気どころでは無い、ほとんど全く死んでいて、眼には涙も持たずにいた。
その夜源三は眠りかねたが、それでも少年の罪の無さには暁天方になってトロリとした。さて目※む間も無く朝早く目が覚めると、平生の通り朝食の仕度にと掛ったが、その間々にそろりそろりと雁坂越の準備をはじめて、重たいほどに腫れた我が顔の心地悪しさをも苦にぜず、団飯から脚ごしらえの仕度まですっかりして後、叔母にも朝食をさせ、自分も十分に喫し、それから隙を見て飄然と出てしまった。
家を出て二三町歩いてから持って出た脚絆を締め、団飯の風呂敷包みをおのが手作りの穿替えの草鞋と共に頸にかけて背負い、腰の周囲を軽くして、一ト筋の手拭は頬かぶり、一ト筋の手拭は左の手首に縛しつけ、内懐にはお浪にかつてもらった木綿財布に、いろいろの交り銭の一円少し余を入れたのを確と納め、両の手は全空にしておいて、さて柴刈鎌の