Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっとう
雑沓
宮本 百合子
Lesen Sie 雑沓 (ざっとう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.832 Zeichen · 50 Bildschirme
と改めて紹介したりした。泰造が吉本の家庭の様子などを、いつとはなし地になっている社交的な口ぶりで訊ねると、吉本は、滑らかな調子で、別にばつをわるがりもせず、一定の社会的地位が対手に推察されるように、要領よい返答を与えている。
瑛子には、順二郎のこの交友が気に入っている、それは瑛子が吉本の一寸した言葉にも愉快そうに笑う、その華やいだ調子で分るのであった。
女中が、そこへ入って来た。丁度宏子のよこのところへ膝をついてとりついだ。
「奥様、ただいま築地の雄太郎さんがお見えになりましたが……」
「あなた」
瑛子が、いかつい声になって云った。
「雄太郎が来ましたそうですよ、この間っから云っている学費の明細書を、今度こそ出すようにおっしゃって下さい。ようございますか?」
そして、こっちへ向いたまま、
「日本間へ通して」
と云いつけた。
「ほんとにどこでもいろいろな身内の厄介がありましてねえ。――おうちなんかでもお世話でしょうねえ」
吉本は、きちんと坐ったままただ笑っている。程なく紅茶茶碗を一つだけ盆にのせ、お砂糖を、と入って来た。その茶碗を瑛子が見た。
「おや、レモン入れたのかい?」