Japanische Klassiker mit Furigana
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おしゃく
雛妓
岡本 かの子
Lesen Sie 雛妓 (おしゃく) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.482 Zeichen · 53 Bildschirme
そしてこちらからうち見たところ多少腕白だったと言われるわたくしの幼な姿にも似通える節のある雛妓の腕働きでもある。それが逸作に縺れている。わたくしはこれを眺めて、ほんのり新茶の香りにでも酔った気持で笑いながら見ている。雛妓は、どうしてもうんと言わない逸作に向って、首筋の中へ手を突込んだり、横に引倒しかけたりする。遂に煩しさに堪え兼ねた逸作は、雛妓を弾ねのけて居ずまいを直しながらきっぱり言った。
「何と言っても今夜は駄目だ。踊ったり謡ったりすることは出来ない。僕たちはいま父親の忌中なのだから」
その言い方が相当に厳粛だったので、雛妓も諦めて逸作のそばを離れると今度はわたくしのところへ来て、そしてわたくしの膝へ手をかけ、
「奥さんにお願いしますわ。今度また、ぜひ聘んでね。そして、そのときは屹度うちの姐さんもぜひ聘んでね」
と言った。わたくしは憫れを覚えて、「えーえー、いいですよ」と約束の言葉を番えた。
すると安心したもののように雛妓はしばらくぽかんとそこに坐っていたが急に腕を組んで首をかしげひとり言のように、
「これじゃ、あんまりお雛妓さんの仕事がなさ過ぎるわ。