Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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エス・オー・エス・ボーイ

難船小僧

夢野 久作

Lesen Sie 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.169 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

「汽笛を鳴らすと矢鱈にモノスゴイが、鳴らさないと又ヤタラに淋しいもんだなあ」

「アリュウシャン群島に近いだろうな」

「サア……わからねえ。太陽も星もねえんだかんな。六分儀なんかまるで役に立たねえそうだ」

「どこいらだろうな」

「……サア……どこいらだろうな」

コンナ会話が交換されているところへ、老人の主厨が飼っている斑のフォックステリヤが、甲板に馳け上って来ると突然に船首の方を向いてピッタリと立停まった。クフンクフンと空中を嗅ぎ出した。同時にワンワンワンワンと火の附くように吠え初めた。

「オイ。陸だ陸だッ」

とアトから跟いて来た主厨の禿頭が叫ぶ。成る程、波の形が変化して、眼の前にボーッと島の影が接近している。

「ウワッ……陸だッ……大変だッ」

「後退……ゴスタン……陸だ陸だッ」

「大変だ大変だ。ぶつかるぞッ……」

ワアワアワアワアと蜂の巣を突いたような騒ぎの中に、船は忽ちゴースタンして七千噸の惰力をヤット喰止めながら沖へ離れた。船首にグングンのしかかって来る断崖絶壁の姿を間一髪の瀬戸際まで見せ付けられた連中の額には皆生汗が滲んだ。

「あぶねえあぶねえ。冗談じゃねえ。