Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Lesen Sie 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.169 Zeichen · 43 Bildschirme
「……妙ですねえ。今度ばかりは……変テコな事ばかりお眼にかかるじゃないですか」
「あの小僧を乗せたせいじゃないかな。チョットでも……」
と一等運転手がヨロケながら独言のように云った。蒼白い、剛わばった顔をして……俺は強く咳払いをした。
「エヘン。そうかも知れねえ。しかし最早船には居ねえ筈だからな」
船長は何も云わなかった。苦い苦い顔をしたまま十八倍の双眼鏡を聖エリアスに向けた。
三人はそのまま気拙い思いをして別れたが、それから第三日目の朝になっても、依然としてフェア・ウェザーとセント・エリアスが真正面に見えた時には、流石の俺も、ジイイーンと痺れ上るような不思議を、脳髄の中心に感じた。同時に何ともいえない神秘的な気持になって、胸がドキドキした事を告白する。自分の魂が、船体と一所に、どうにもならない不可思議な力にガッシリと掴まれているような気がしたからだ。
石のように固ばった俺と、一等運転手と、船長の顔がモウ一度、船長室でブツカリ合った。
「ここいらを北上する暖流の速力が変ったっていう報告はまだ聞きませんよ」
運転手が裁判の被告みたような口調で船長に云った。