Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あまよぞうし

雨夜草紙

田中 貢太郎

Lesen Sie 雨夜草紙 (あまよぞうし) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.029 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

そこには至誠堂病院の院長青木寛をはじめ、二三人の医師が粛然として立っていた。先輩の眼は院長に往った。

(何故死んだのです、何故死んだのです、木内君は何故死んだのです)

先輩の眼は憎悪に燃えていた。

(急に容態が変じました、いろいろと手を尽してみましたが、どうも残念でした)

院長はすまして云った。その冷かな調子は三造にまで反感をおこさせた。

(残念と云ってしまえばそれまでだが、この男の体をどう思っているのです)

先輩は怒鳴りだした。当時閥族政府へ肉薄して、政府をして窘窮の極に陥れていた野党の中でも、その中堅とせられている某党の智嚢の死亡は、野党にとっての一大打撃であった。三造は先輩の憤激するのも無理はないと思った。

(実にお気の毒です)

院長はまた冷かに云った。先輩の眼は金盥に往った。先輩の熱した頭はやや醒めかけていた。

(胃腸の病に、こんなに血を吐くことがあるのですか)

(無いにもかぎりません)

(しかしどうもおかしいのですね、これまで木内君は、ちょいちょい胃腸が悪いが、何時も五六日位、口養生さえすれば、すぐ癒ったし、今度も別に大したこともないが、下宿では政友が押しかけて来て煩さいから、保養のつもりで入院すると云ってた