Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あまよぞうし

雨夜草紙

田中 貢太郎

Lesen Sie 雨夜草紙 (あまよぞうし) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.029 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

女は、

(犬のようにそっと入って来るなんて、貴郎はよっぽど卑怯者ですわね)

と云うと、奴さんしかたなく笑いながら、

(そう云ってくれるな、開いていたから入ったまでだ、たくらんでそっと入ったものじゃないよ)

と、穏かに云ったものの、うすうす知っている情夫の青年と睦じそうにしているところを見せつけられたので、頭の中は穏かでなかった、

(だから日本人は嫌いと云うのですよ、嘘つき、今私が締めた扉が、どうして開いてるのです、なにか私の秘密でも探ろうと思って、合鍵を持って来て、それで開けたのでしょう、出て往ってください、一刻も置くことはなりません)

と、女は情夫との媾曳の場所を見られた腹立ちまぎれに怒鳴りだした、すると奴さんむらむらとして来た。

(よし、お前のような恩知らずの畜生のところには、おれと云ってもおってやらないさ、帰る)

と云うと、

(帰ってくださいとも、犬のような奴は、一刻も置くことは出来ません、帰ってください、出てください)

と、女は奴さんに向って進んで来て、突き飛ばしそうにする、奴さんも肱を張って女を迎えようとしたが、思い返して室の外へ出た、女は追って来て扉をぴしりと締めたさ、室の出口には、蒼白い