Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
それ故家へは入れずに、距離を置いて、外で逢っているのだ。何も彼も承知でやっているのだから、お前さんは別に心配せずにおとなしくしていればいいのだ。という意味になる。重吉はかつて覚えたことのない侮辱を感じて決然として女の家を出ようと思いながら、また静にその身を省ると、勤先をしくじってから早くも一年ぢかく、怠気癖のついてしまった身には俄に駈け歩いて職を求める気力が薄くなっている。国元の家へ還ろうにもその家はとうに潰れてしまった。重吉は始めて身にしみじみ自活の道を求める事のいかに困難であるかを知ると共に、屈辱を忍んで現在の境遇に廿じてさえいれば、金と女とには不自由せずにいられるのだ、という事をもはっきりと意識した。
重吉はこのまま種子の世話になっていようと思えば、まず何より先に男の持っている廉耻の心を根こそぎ取り棄ててしまわなければならない。
世間には立身栄達の道を求めるために富豪の養子になったり権家の婿になったりするものがいくらもある。現在世に重ぜられている知名の人たちの中にもこの例は珍しくない。それに比較すれば重吉はさほどその身を耻るにも当るまい。女の厄介になって、のらくらしている位の事は役人が賄賂を取って贅沢をするのに比べれば何でもない話である。