Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
「お千代。今夜思切った冒険をやったぜ。勿論偶然なんだがね。」
お千代は心配そうに男の顔を見るばかりである。
「銀座にはステッキガールが出るという話だから、それらしいやつの後をつけて横町へ曲ろうとしたんだ。するとマントオを着た男がもしもしと言って、暗いところで絵葉書を買ってくれというのさ。実はおれも懐中にいいのを持っていたんだ。そら、この間謄写版と一緒に持って来たやつさ。ふいと己もやって見る気になったんだよ。銀座はやっぱり銀座だな。弐円になったぜ。」と銀貨を見せる。
お千代はびっくりするよりも、自分の秘密を思合せて、何といっていいのか返事が出来ない。
「毎晩同じところへ行っちゃ危険だ。ときたま、散歩がてらにやるくらいなら、まア大丈夫だ。」
「でも、あぶないわよ。よッぽど気をつけないと……。」
「だから冒険さ。考えて見ると、こういう事は道楽見たようなもんだ。言わば趣味だね。掏摸だの万引なんぞもやッぱりそうだろう。おれも――まさか掏摸や万引はしないけれど、後暗い事だの、秘密な事には興味がある。何となく妙に面白いもんだなア。いくら困っても真面目な人間にゃなれそうもない。