Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
「お千代、どうした。」
この声にお千代は睡から目をさまし、「お帰んなさい。」
「どうかしたのか。」と重吉は立ったままである。
「千代子さん。しばらく……。」と重吉の後に玉子も立っている。
「あら、玉ちゃん。一緒……。」とお千代の方でも不思議そうな顔をしながら起きかける。
「どうもしたんじゃないのか。」
「どうもしないッて、どうしたの。」とお千代は重吉の様子にいよいよ不審そうに眼を見張った。
「でも、まア、よかったわ。御無事で……。」と玉子は初て気がついたらしくコートをぬぎかける。
「あら。おかしいわね。」
「おかしいどころか。心配したぜ。昨日の昼間出たっきり電話もかけないからさ。」
「あら、電話は女中さんに頼んだのよ。じゃア忘れてかけてくれなかったのよ。すみません。」
「荒木の婆さんが死にそうなんだ。」
「わたし、あの時は実に怖かったわ。顔がこんなよ。」と手真似をして、玉子が一伍一什を委しく話した。
「今夜ほど、妙な晩はない。お前は怪我でもしたんだろうと心配するし、尋ねて行った先は大病で唸っているし……。」と重吉は疲れたようにごろりと横になった。
「ほんとに妙なことがあるものね。