Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
」
「じゃお願いするわ。こんどの店は服部時計店の裏通りでカルメンというのよ。」
「尾張町の裏ですね。」と重吉は聞き直した。夜も九時頃なのに、尾張町のカフェーにいる女がぶらぶら京橋近くを歩いている理由がわからなかったのである。
「こっちから行けば左側で、小さい店だけれど直ぐわかりますよ。」
「これから、お出掛けなんですか。」
「不景気だから、苦しまぎれにいろいろな事を考えるのよ。店が暇になると、ぶらぶら出掛けてお客を引くのよ。カフェーもこうなっちゃアおしまいだわね。」
「ああ、なるほど……。」重吉は再び去年お千代の為した事を思返し、銀座を徘徊する女にはいろいろ種類があることを知った。「店へ引張って行くんですか。それとも……。」
「中には大胆なのもあるわよ。」
その時向から歩いて来る断髪洋装の女が、春子の友達と見えて、「今あすこの横町でルンペンが仁義をやっていたわ。銀座といっても広う御在ます。はははは。」
「また御機嫌だね。」
「一口に銀座といっても広う御在ます……。」
重吉はその女の顔を見ると、二、三年前麻布谷町に間借りをしていた頃、お千代をたずねて来て一晩泊って行った吉岡つゆという女で、去年十二月の初め『毎夕新聞』