Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
それなら何が好きなのかというと別にこれといって好きなものもないらしい。針仕事は勿論読み書きも好きではない。唯芝居へ行って友達と運動場をぶらぶらするとか三越や白木へ出掛けて食堂で物を食い浅草の活動写真を見廻るといったような事がまず楽しみらしい。小言をいうと遂には反抗する。面倒な思をして三味線の師匠なぞになった処で何が面白いといわぬばかりの様子を見せるようになった。これでは到底望がないと思って暇をやった訳だがしかしこれはあの女ばかりに限った話ではない。今の若い女は良家の女も芸者も皆同じ気風だ。会社で使っている女事務員なぞを見ても口先では色々生意気な事をいうが辛い処を辛抱して勉強しようという気は更にない。今の若い芸者に薗八なんぞ修業させようとしたのは僕の方が考えれば間違っていたともいえる。家の娘は今高等女学校に通わしてあるがそれを見ても分る話で今日の若い女には活字の外は何も読めない。草書も変体仮名も読めない。新聞の小説はよめるが仮名の草双紙は読めない。薗八節稽古本の板木は文久年間に彫ったものだ。お半は明治も三十年になってから後に生れた女だ。稽古本の書体がわからないのはその人の罪ではない。