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Japanische Klassiker mit Furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「お父さん、今夜はまだなの。お上んなさいよ。わたしがつけて上げましょう。」

丁度手の届くところに二合罎があったのでお照はそれをば長火鉢の銅壺の中に入れようとして、

「この中へ入れてもいいんでしょう。」

兼太郎は唯首肯くばかり、いよいよ嬉しくて返事も出来ず涙ぐんだ目にじっとお照の様子を見詰るばかりである。お照が二合罎を銅壺の中に入れる手付きにはどうやら扱い馴れた処が見えた。

兼太郎は昼間湯屋の番台で出逢ったその時から娘の身の上が聞きたくてならなかった。しかし以前瓦町に店があった時分から子供の事は一切母親のお静にまかしたなり、ろくろく顔を見た事もなかった位。朝起きる時分には娘はもう学校に行っている。娘が帰って来る時分には兼太郎は外へ出て晩飯は妾宅で食べ十二時過ぎでなければ帰っては来なかったので、今日突然こんなに成長した娘の様子を見ると、父親としてはいかにも済まないような心持もするしまた何となく恨んでいはせまいかと恐ろしいような気もして、兼太郎はききたい事も遠慮して聞きかねるのであった。

実際その時分には兼太郎は女房の顔を見るのがいやでいやでならなかったのだ。