Japanische Klassiker mit Furigana
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あめ
雨
織田 作之助
Lesen Sie 雨 (あめ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.421 Zeichen · 60 Bildschirme
泣きながら一里の道をとぼとぼ帰り、帰ると電球十個割った。九個目で、いゝ加減にしとけと安二郎が呶鳴ったが、しかし安二郎は小さな豹一など明らかに無視していた。彼はお君が来てからも、まるで女工と女中を兼ねたような申し分無い働き振りのお君に家の仕事を任して、相変らずあちこちの遊廓を遊び廻り、どこでやるのか博奕に負けて帰ると、理由もなしにお君の横面を撲ることを常とし、そんな時必ず使うどすべた! とののしる言葉と、朝鮮! と嘲る言葉は当のお君より傍できいている豹一の胸にどきんとこたえ、豹一の眼は安二郎に挑みかゝるようにギラ/\光るのだったが、安二郎はそんな彼には眼もくれず、たゞお君の連れて来たこぶ位に思って、問題にしなかった。しかし、嫂のお兼は学校の成績の図抜けて優秀な豹一にひそかに期するところがあり、彼が尋常六年を卒業すると、府立の中学校に入れるようにと安二郎を無理矢理に説得した。飯屋の女中上りの彼女はもう自分位の金持になれば、娘の夫に大学出の一人位もってもいゝのだと思っていたのである。どうせ、安二郎は放蕩者だし金も残さないだろうから、今の内に豹一に金をいれさせて置いた方がいゝだろう、とにかく彼女の懐は傷まないのだ。