Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのうえのおじいさん
雪の上のおじいさん
小川 未明
Lesen Sie 雪の上のおじいさん (ゆきのうえのおじいさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.520 Zeichen · 14 Bildschirme
「お家へ帰りたい。」と、ただ、こういって泣いているばかりでありました。
おじいさんは、ほんとうに困ってしまいました。それにしても、さっきから、この子供はこの公園のあたりで泣いているのに、だれも、いままで、しんせつにたずねて、家へつれていってやろうというものもない。なんという町の人たちは、薄情なものばかりだろう。それほど、なにか忙しい仕事があるのかと、おじいさんは不思議に感じたのでした。
「お家へ帰りたい。」
子供は、こういって泣きつづけていました。
「ああ、もう泣かんでいい。私が、坊やをつれていってやる。」と、おじいさんは、子供の手を引いて、そこの鉄さくから離れました。
「坊や、困ったな。お家のある町がわからなくては。」と、おじいさんは子供をいたわりながら、小さな手を引いて歩いてきました。すると、あちらに、風船球売りがいて、糸の先に、赤いのや、紫のをつけて、いくつも空に飛ばしていました。
「どれ、坊やに、風船球をひとつ買ってやろう。」と、おじいさんはいいました。
子供は、見ると、ほしくて、ほしくてたまらない、紫のや、赤いのが、風に吹かれて浮かんでいましたので、泣くのをやめて、ぼんやりと風船球に見とれていました。